—CRITIC
サザンオールスターズ『THANK YOU SO MUCH』:歴史の重みを軽さで返す
サザンオールスターズの新作『THANK YOU SO MUCH』は、タイトルどおりキャリアへの感謝が滲む一方で、収録曲の佇まいは決して懐古的ではない。鮮度の高いミックスとしなやかなアレンジが、桑田佳祐の声の独特な揺らぎを再びど真ん中に据える。 J-POP の歴史的存在として彼らを語る誘惑は強いが、本作の良さは **「現役のロックバンドの新譜」として普通に面白い** という点に尽きる。シティ・ポップ的な軽妙さ、コミカルな歌謡曲性、ストレートなロックチューン。引き出しの広さがそのまま今のバンドの体力になっている。 Album of the Year ノミネートは、若手と並走しながら音楽産業の中心で機能し続けることへの敬意の表明とも言える。サザンを **過去の名前ではなく、2026 年の現役名簿に並べて聴く** ための一枚だ。