LEGION を最初に聴いた時、私は会社員だった。朝の通勤電車で、行きの 30 分でアルバム前半、帰りの電車で残り。LEGION 全 14 曲、トータル 50 分強。 朝の電車で聴くと、Bling-Bang-Bang-Born の派手さで目が覚める。が、その後に続くアルバム曲群が、徐々に内省的なトーンに変わっていく。会社に着く頃には、妙に静かな心持ちになっている。 帰りの電車で残りの曲群を聴く。後半は意外にも、朝より落ち着いた曲が多い。R-指定のラップは、後半になるほど「叫び」よりも「呟き」に近づく。これは作家としての配置の上手さで、リスナーの 1 日のリズムを、アルバムが受け止めてくれる。 50 分のアルバムを、ストリーミング時代の標準的な聴き方(曲単位でランダム再生)ではなく、最初から最後まで通しで聴いた。それで初めて見える設計が、LEGION にはある。 ヒップホップのアルバムを通しで聴く文化は、日本ではなかなか定着しない。LEGION は、その文化を一回作り直す力を持っているアルバムだ。